放飼いのユートピア
奇跡を知ったかぶり
よそゆきの胸元
あの子が一口大でなくなったとき
呼吸を色止め

しぼんだら食べごろ
ぐずつきの衣
バターサンドをかじった残りで
たじろぎの手前
さしずめごっこ

返す返すもヒトデナシ
愛といえばすべて終わる
どうせみな悪食
私だけの正義であってはならない
あるがままから省いてゆく

ベガは依存を示し
使いまわしの媚
捨て身についやす
されど僕ら
くるいたつ夜幕

みずみずしい夜盗
暁のありか
月の装い
真綿の恥らい
青い鳥がなだれこむ

抱き心地のわるい夢
どうして思い返せる位置にいる
無垢の弾道
かなしみのとっておき
逡巡すべきだったのだろう

しめったがり
上澄みだけがどよめく
なぜ花でなかったのか
万朶の抱擁
極みはしまっておけ

金木犀の死角
聞き分けのない真夜中
ビンヅメにしないで
祈りなら繰り返せる
にじたかる

金魚をもち寄り
ふやけた六等星
眼かくしの掟
とろ火で日々割れる
おずおずとした完全を招き入れ

震わせた欠落
酸化ばかりの関係
たどたどしい生粋
既視感を差し出す
はぐれた追慕

きみは五月雨使い
温室のこども
鳴らない呼吸
花の散り際に間に合わぬ
流星のまね事

満たすことから始めよう
その花は分厚いの
海がめを抱き上げて
運命は二番目の引き出しに
満月は焦げる

横断の鳶
きっとどれかに馴染むだろう
かじかんだ妥協
調光のふり
著しく職人

従来に餓える
終わりと区別しよう
置き去りに属す
低刺激な調弦
見定めへの旅

砕ける岬
補正した差別
やわらかさは畏怖の対象
残照騒ぎ
春を浪費したのち

なおざりに焼心
永遠について語る方が多い
分け隔てなく陥る
失いを自覚するとき
限りないものへの入り口

正しさの限界はとうにすぎ
心拍数をさがす
かつてのきみをおびやかす
薔薇にだってなれる
満ちてしまったら

きしむ火群
いつまで純白でいればいい
ぐれつく夜盲
ろうたがりて瑪瑙
いつから待ち侘びた

面つきのかみさま
心中にこだわる
上品を供養する
きわめて平坦に差し含む
ラストシーンは敗荷の間で

たまりかねて錯落
厭わない朗徹
じっとを許す
展翅をいろ塗り
ささがく未来

ふり帰るむらさき
与えるから足りなくなる
標本でありたい
ゆくすえまで軽い
折衝を有す

おごそかな破綻
なめらかな降伏
楯にできないもの
精緻なクズ
いくらか束縛

逼迫する宵
きぬごろし
ゆめゆめ劣情
おとしいめる視点
夜の濃さに耐えれたら

オルターエゴ
静謐な誘惑
正しい思い出
ぬるい挫折
そもそも不似合いなのだ、暁にカンタービレは

インディゴの響き
つつましいばら
まったき高潔
惜しみない貴婦人
シーラカンスの瞼

君の貴さをあぶり出す
決めつけたい微熱
中間性のない価値
指紋を捕食る日
花冷えに妥協

縦に列べる痴態
横に列べる醜態
斜に列べる裸態
しみ出す桜色
滞りのない背骨

花のあとにてやり過ごす
一人きりの龍
白々しさに欲情す
人見知りのからだ
うろ覚えの愛し方でもよかったら

ささやかな艶
徒としてわたし
隔絶を下見
永遠のはんぶんをください
ちゅうぶらりんの幸福

アール指定
死んだ美談
おおらかさの過払い
劣化する楽園
瞬くというよりかは

白いうなじと紅いほくろ
美しいだけじゃたりない
呼び声にはとどかない
かろうじて関係のないこと
とっておきの同情

つたない鮮血
与えて求めず
やさしい行為
壊死する頬骨
とりあえずはゆるぎなく

ガラスだったら見向きもされたわ
角化する性
肩甲骨だけ抱いてあげる
迷子は思ったよりこわい
殻発ち


著作権放棄/改変可/使用媒体不問/リンク・使用報告任意/選択式/削除有
(お礼ログ) (birth) (07-09) (第壱弾ログ) (第弐弾ログ)





Lunge http://lunge.xxxxxxxx.jp/banner.gif 071111〜
中留壱茶(memo/alfoo/hands)
小宅のあらゆる頁において、公開型・オンラインブックマークの類はご遠慮いただいております
リンクはトップページへお願いいたします

感謝御礼:
140520 +5